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日記的空間

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将棋不正疑惑問題における第三者委員会の結論は本当に妥当なのか

将棋の不正疑惑問題において第三者委員会は
1.不正行為がなかったこと
2.将棋連盟の為した処分はやむをえなかったこと
を発表した。この2つめである「処分はやむをえなかった」というということは妥当かどうかを考えたい。

第三者委員会による結論

第三者委員会は出場停止処分については
・現時点から見た結果論ではなく、処分当時における本件出場停止処分の必要性・緊急性を見る必要がある
として、具体的には以下の理由を述べている

1.処分当時、ソフト指し疑惑が強く存在していたこと
2.このような状況下で竜王戦に出場させれば、大きな混乱を招くことは必至であり、連盟の権威や信頼が侵害されることが容易に想像されたこと
3.処分当時は竜王戦を3日後に控えており、他にとりうる現実的な選択肢がほぼなかった
4.休場の申し出を受けて主催紙との調整を行っていたため、休場を撤回した時点では後戻りできなかった
5.竜王戦開催期間、調査に要する期間において疑惑が払拭されていない間に他棋戦の出場を認めると連盟の自浄作用が疑われること

といった理由を挙げて、処分を行ったことおよびその期間が3ヶ月であったこと、ならびに他棋戦を含めてすべての対局の停止を行ったことは緊急やむをえなかったとしている。

結論の妥当性

では、これらの理由が処分当時における必要性・緊急性があったのかを確認していこう。

1.処分当時、ソフト指し疑惑が強く存在していたこと
第三者委員会の調査では結果的には不正行為はなかったが、処分当時はそれがある可能性が十分に高いと思われる根拠があった、ということになる。果たしてそうだろうか?
第三者委員会では、ソフト指しが存在していなかったことについて、処分当時の連盟の判断に関係があるであろうと思われる理由は、以下の4つを理由を挙げている。

1.7月26日の久保戦においては、不正の根拠とされた30分以上の離席がそもそもなかった
2.8月26日・9月8日の丸山戦においては、連盟理事による監視があったが不審な行為が認められなかった
3.丸山棋士は疑いを抱かなかった
4.不正の根拠のひとつとされていた一致率に信用性がないことがわかった

当時、連盟側がソフト指しを疑った理由は「不自然な離席」と「一致率」であった。
しかしながら、そもそも「不自然な離席」が存在しないのであれば、これを理由に処分の必要性・緊急性を認めてはならない。
不正を疑うに足りる十分な根拠が根も葉もない思い込みで良いのであれば、処分し放題である。当時はそう思ったのだから、処分は許される、というのはどう見ても不合理である。

では「一致率」はどうであろうか?
この点について、「当時は一致率が不正を疑う根拠として重要なものであると考えられていた」ことを理由に、当時疑惑が強く推認されたとしている。
しかしながら、これもやはりおかしいといわざるを得ない。
というのも、当時の段階で、ソフトの指し手というのは読む時間や局面において揺れ動くこと自体は、これまでの電王戦や叡王戦、タイトル戦の中継におけるソフトの評価値や候補手を見ている中でわかるはずのことであるからだ。
実際に、過去に何十局と中継されたそれらにおいてしばしば表示された読み筋は時間とともに変化することは知られていた。
当時、仮に「時間をかけても指し手は必ずしも収斂しない」ことがわかっていなかったとしても、使用するソフト、検討する時間、検討するPCによってそれぞれ結果が異なりうることは当時としてもわかることだったといわざるを得ない。
加えて、疑惑の4局のうち、2局については監視していたことがわかっている。そこで不審な行動が認められなかったとするならば、一致率が高い対局は残りの2局しか疑うことができない。
現在のソフトが極めて高い水準にあることを考えると、対局において、変化の余地が少ない場面で、高い棋力を持つ人間が、正しく指すことができれば、一致率が上がることは容易に予想できることであり、
それが2局、近い期間内にあったことをもってして、それによって強い疑いが生まれるかといえば否としかいえない。
たまたま会心の将棋を指すとそれだけで疑ってよいことになるのであるから、当然ながら極端に連続して続いたときに初めて疑惑になるというべきなのである。

以上の検討をすると「一致率」に関しても、当時の状況から考えても、やはり根拠になり得ないというべきである。
であるならば、「処分当時、ソフト指し疑惑が強く存在していた」というのは否定されることになる。

大きな混乱を招き、連盟の権威信用は失墜したのか

上述のように、そもそも「強い疑い」はなかったといわざるを得ない。
このような場合において、混乱を招いたりしただろうか。
連盟は当時、何らかの理由で週刊誌報道が出ることをキャッチしていたという。
それが「疑惑の4局」だということもおそらく知っていたはずだ。では、それが週刊誌で報道されたときに大きな混乱をもたらすだろうか。
まず最初の1局である久保戦は長時間の離席が存在しなかった。そして、丸山戦は理事が監視していた。
この二つの事実があれば、そもそも週刊誌の報道に対して「事実無根である」と毅然と対応できたはずである。
加えて、竜王戦は金属探知機の導入を決め、電子機器の持ち込みはできないようになっており、不正はありえなかった。
仮に、久保戦での離席について、動画の確認を怠ったという致命的なミスを許容するとしても、理事が監視していた挑戦者決定戦第2局と第3局は疑いようもないはずだ。
ならば、残りの2局で何らかの報道が出たとしても、棋士が十分に実力を発揮すれば一致率が高くなることも十分に考えられるとして、意に介する必要はなかった。
当時の状況からしても、「監視した2局でも同様に一致率が高くなるのであれば、ミスなく実力を発揮しただけだと考えられる」で良いわけだ。
混乱は招かないし、連盟の権威信用は失墜するとは到底考えられない。

他にとりうる手段はなかったのか

以上のように見ると、そもそも疑う根拠は当時の状況から考えてもないわけであり、週刊誌の報道があったとしても特に混乱をきたさないと考えられるのであるからには、他にとりうる手段がないというのはありえない。
なんにせよ、監視していて不審な点を見つけられていないにもかかわらず、週刊誌で決定的な証拠が出てくるのであれば、週刊誌の取材力以前に、これはもう理事の能力の問題だ。

主催紙との調整の問題

これもよくよく考えるとおかしい話である。というのも、休場届が出ていない段階で、調整を行っていたということになるからだ。
本来であれば、「届けが出されたときに最終決定する」事を条件に交渉に入らねばならない案件であり、届けを提出する期限を設けていたのであるから、主催紙に対しても、その期日を提示するのが筋である。
にもかかわらず、撤回されたときにはすでに主催紙との交渉が進んでいたという。これが、処分の必要性・緊急性を認める理由になるというのは到底理解できないことだといわざるを得ない。

自浄作用が疑われかねないのか

最後に期間についても、調査に必要な期間を算定している。しかしながら、そもそも連盟は当初「これ以上の調査はしない」と言っていたのである。
調査するつもりは処分当時なかったのだ。なのに、調査期間の必要性から3ヶ月を妥当としている。
調査するつもりがないのだから、調査期間は考慮してはならない話だ。そうすると、そもそも3ヶ月という処分期間の妥当性も認められないと言うべきである。



以上のように検討していくと、第三者委員会が処分を緊急やむをえなかったとした理由の合理性は極めて疑わしい。
この意味で、三浦九段の代理人弁護士の「連盟に寄り添った結論」と言うのは正しいと考えられる。
そもそも、第三者委員会も「全体のために被った不利益に対しては補償してバランスをとるべき」としているにもかかわらず、A級の残りの対局を不戦にするという事実上の出場停止処分を継続を行い、A級の地位を保証するといいつつ順位は最下位という休場張り出しと同様の不利益な処分を発表したのはもはや擁護の余地はないわけです。
公平な状況を、と言っているにもかかわらず、王位戦は不戦、朝日杯は抽選から除外しました、と発表することは、処分期間内に発生した不利益はこれです、と言う意味しか持たないわけで、これも第三者委員会の提言をまったく理解していないわけです。
休場明けに予定されていたイベントの出演も理事の側から「混乱を避けるために回避してほしい」とお願いをして三浦九段は「参加したい」と希望したことも明らかになった。
にもかかわらず、仕事をキャンセルしている。事実上の処分継続だ。
第三者委員会の結論の妥当性も疑問だが、それを上回る連盟の行動のおかしさとしかいえない。
これでははらわた煮えくり返るのもさもありなんと言うところで、まとまりのないですが、記事を閉めましょう。ではでは。
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