admin⇒

日記的空間

主に、私見のために使用するスペースです。 所々、日記的に気ままに書いたりと、アトランダムな使用をしていきます。

 | ~home~ | 

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

詰将棋ルール論:変同余詰について(その4)

6.変同余詰は不完全か

前回の記事において変同余詰の構造を確認した。
今回の記事では、変同余詰が不完全として扱うことになるかどうかを検討する。
当然ながら、この論点に関しては「変同余詰は不完全とは言えない」という結論と「変同余詰は不完全である」という結論の二つが考えられることになる。


・変同余詰は不完全ではないとする理論的な根拠とは

変同余詰が不完全であるという議論をする場合には、不完全と判断される分類である「不詰、余詰、駒余り」のうち、やはり余詰の議論に該当するであろうということになる。
そうすると、「余詰不完全の原則」が適用されるかどうかという議論に帰着するわけである。
このとき、変同余詰は理論的には変同手順中に存在する攻方着手の問題であり、作意手順中の紛れが詰むという余詰の定義に当たらない場面であるという理論的構造が存在する。
したがって、変同余詰は定義上余詰には当たらず、余詰不完全の原則の適用事例ではない、という主張がありうることになる。
このことが、変同余詰は不完全ではないとする理論的な根拠の中で最も基本的な理論ということになる。


・変同余詰は不完全であるとする理論的な根拠とは

これに対して、変同余詰は不完全であると主張する場合には、どのように理論構成されることになるだろうか。
結局のところ「余詰不完全の原則」が適用されるかどうかの議論になるわけであり、不完全であるとするのであれば、適用されるという理論に帰着するわけである。
そうすると、定義上直接には余詰とは言えない場面であることから、理論的には「余詰不完全の原則」の拡張が主張されることになる※12
では、この拡張理論の根拠はどのように考えるべきであるか。
これは結局のところ「ある変同手順を基準にした場合に、攻方が異なる着手をしたとしても詰むようなときに余詰不完全の原則を拡張適用する」という構成をすることになるであろう。
これは以下のような理由付けが考えられる。

変同手順はルール上変化選択において区別が不能な等位の着手であって、作意手順と変同手順とは作者が意図した手順かどうかの違いでしかない。すなわち、ルール上に違いがないのであるから、この場合の余詰様の手順について区別するのは合理性が認められず、それは定義上の余詰という議論を形式的に当てはめるべきではない。


・両理論の比較検討

確かに、理論的には作者の主観にかかわる基準を除外すれば、ルール上変同と作意とには区別は不可能であるということからすると、実質的に余詰不完全の原則の適用の有無を区別することに合理性が認められないという理屈は一定の説得力を持っているだろう。
反面、定義上形式的な適用をすれば、変同余詰は不完全ではないとする結論を導くことも可能であり、どちらがよりよいといった議論ではなく、どちらが採用されるかという問題に過ぎない。
その意味ではどちらの立場も理論的な必然性があるとは言えない。
一般論としては、作品の完全性については広く認めて、あとは評価の問題として扱えばよいのではないか、と考えるのであれば、変同余詰は不完全ではないという理論と親和的である。この場合、一般的には変同余詰自体は大きなキズとは言えたとしても、作意手順が非常に価値の大きいものであれば、作品救済をしやすいというメリットがあるといえる。
一方で、作品の完全性についても一定程度の厳しさをもって定義付けて、より厳格に明確な理論体系を構築すべきと考えるのであれば、変同余詰は不完全として扱うべきことになる。一般論として作品の理論的な体系化が進んできている現状においては、作品の完全性についても絞る方向への議論も十分にありうると言える。







※12厳密にいえば、余詰の定義そのものを変更し、余詰不完全の原則の適用場面であるとすることも考えられなくはない。この場合、変同手順まで拡大した紛れ、余詰定義を行うことになるために、定義が重層的になり複雑化するといえる。この考え方は、結論のために前提に変更を加える手法であるのみならず、理論上の複雑さを増すため、それほど有力な考え方とは言えないのではないかと思案する。
スポンサーサイト

comment

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

Trackback

http://watakusimi.blog64.fc2.com/tb.php/151-f96af3ad

 | ~home~ | 

プロフィール

結城 桃燈

Author:結城 桃燈
FC2ブログへようこそ!


最近の記事


最近のコメント


最近のトラックバック


月別アーカイブ


カテゴリー


ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる


ブログ内検索


RSSフィード


リンク

このブログをリンクに追加する
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。